理念
「患者さんにどのような障害があっても、その人らしく、安心して暮らしていけるように」適切なリハビリテーション医療サービスを提供し、地域に貢献する。
基本方針
- 急性期から回復期まで医療体制を構築し、チーム医療の一員として、個々に合わせた適切で効果的なリハビリテーションを提供します。
- 患者さんの社会参加を目的に、的確な時期に、全人的なリハビリテーションを提供します。
- それぞれの専門職が互いに尊敬し、持てる技術と能力を研鑽し、効率よく提供できるチームアプローチを目指します。
- 患者さんの安全性に配慮し、身体活動と精神活動の支援に努めます。
チーム構成
スタッフ
理学療法士 | 46名 |
---|---|
作業療法士 | 11名 |
言語聴覚士 | 9名 |
医療事務 | 1名 |
合 計 | 67名 |
(2024年4月1日現在)
認定資格者
呼吸療法認定士 | 8名 |
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心臓リハビリテーション指導士 | 1名 |
糖尿病指導士 | 1名 |
リンパ浮腫技能士 | 1名 |
健康運動指導士 | 3名 |

リハビリ室①

リハビリ室②

リハビリ室③

屋外エリア

言語聴覚室

作業療法エリア

スポーツリハビリ

カンファレンス風景
施設基準
- 脳血管疾患リハビリテーションⅠ
- 運動器リハビリテーションⅠ
- 呼吸器リハビリテーション
- 心大血管疾患リハビリテーションⅠ
- がん患者リハビリテーション料
- 廃用症候群リハビリテーションⅠ
回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟パンフレット
理学療法
HCUでの超急性期からのリハビリテーション、急性期、回復期、地域包括ケア病棟でのリハビリテーション、緩和ケア病棟でのリハビリテーションなど、様々な関わりの中でチーム医療に貢献できるよう努めています。
整形外科疾患のリハビリ
対象
骨折(大腿骨頸部骨折、脊椎圧迫骨折など)
筋 / 腱損傷(肩腱板損傷、アキレス腱断裂など)
変形性関節症(変形性肩関節症、変形性股関節症、変形性膝関節症など)
スポーツ障害(前十字靱帯損傷、半月板損傷、野球肘など)
脊椎疾患(腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、頸椎症性脊髄症など)

以前から上肢・下肢の骨折、変形性関節症に関する症例数は多いですが、近年は肩に関する疾患(腱板損傷、脱臼、拘縮など)、脊椎疾患(腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、頸椎症性脊髄症など)、スポーツ障害(前十字靭帯損傷、半月板損傷、野球肘など)が多くなってきています。患者さんに合わせた評価・プログラムを実施し、病室や自宅での自主トレーニングの指導や再発予防のためにアドバイスも行っています。
呼吸リハビリ
対象
- 胸部 / 腹部の手術前後
- 肺炎、気管支喘息やCOPD急性増悪など呼吸器疾患で入院された患者さん
- COPDで通院されている患者さん

1. 胸部 / 腹部の手術前後
胸部 / 腹部の手術後、全身麻酔や人工呼吸器などにより、肺炎や無気肺などの呼吸器合併症が生じる場合があります。そのため、外科で手術することが決定すれば、外来で深呼吸や痰を出す方法など練習していただき、自宅でも練習を重ね手術に備えていただきます。手術後は深呼吸や痰を出すとともに合併症予防のために早期離床を行い、早期退院を目指します。
喫煙歴のある方や呼吸機能低下した患者さんを中心に関わっています。
2. 肺炎、気管支喘息やCOPD急性増悪など呼吸器疾患で入院された患者さん
排痰や換気量改善などを目的とした呼吸リハビリやベッド上安静による廃用症候群を予防するために入院直後から行います。呼吸器症状の改善とともに、ADL(日常生活活動)動作を改善し、退院に向けて関わっています。
3. COPDで通院されている患者さん
COPDで当院に通院されている患者さんには、呼吸法や自宅で行える自主トレーニング、呼吸に合わせた動作など、患者さんに合わせた指導を中心に関わっています。
心臓リハビリ
対象
主に心不全患者さんに対して
- 身体的・精神的でコンディショニングの是正
- 冠危険因子是正と二次予防
- 良質な社会生活援助とQOL向上

を目標に、多職種チームで関わっていきます。歩行運動・自転車エルゴメータやレジスタンストレーニングなどの運動療法と患者教育を2本柱として実施していきます。
緩和ケアとリハビリ
緩和ケア病棟と連携しリハビリを必要としている患者さんへ生活の質(QOL)の向上を目的としたリハビリを提供しています。具体的には、以下のようなリハビリで患者さんに関わっております。
歩行能力獲得や床上動作能力の向上を目的とした機能訓練
福祉用具や自助具の提案
終末期における呼吸困難感に対する呼吸リハビリ
リンパ浮腫に対するリンパマッサージ
など…

患者さんの希望に応じたプログラムを実施し、効果的な理学療法となるように心がけています。
リンパ浮腫(むくみ)へのリハビリ
手術によってリンパ節を取る(リンパ節郭清)や、放射線治療などによってリンパ液の流れが傷害され、リンパ液が留まることによって浮腫(むくみ)が起こることがあります。 このようなむくみをリンパ浮腫といいます。 乳がんや子宮、卵巣がん手術でのリンパ節郭清後の患者さんに対し、リンパ浮腫の予防に関する説明をさせていただいています。 また、乳がんをはじめ、子宮がん、前立腺がんなどの手術後に腕や脚に浮腫が出現した際の治療方法(スキンケア・マッサージ・圧迫療法・運動療法)についての説明をさせていただいています。
作業療法
多種多様なニーズに対して、心身の健康を促し、主体的な作業活動への復帰を目指し、その人らしく暮らしていくことを支援していきます。
急性期の支援
- 手術前後の混乱予防と早期離脱を目指します。
- 睡眠や生活リズムを整え、認知・精神機能の回復につなげます。
- 筋力訓練や呼吸療法などを行い、身体・呼吸機能などの回復につなげます。
- 全身の状態に合わせ、速やかに基本動作の再獲得につなげます。
回復期の支援
- 筋力訓練や持久力などを行い、身体機能の回復につなげます。
- 食事・更衣・トイレ動作などの練習を行い、日常生活動作の再獲得につなげます。
- 服薬・インスリン自己注射・装具装着・福祉用具使用などの練習を行い、自己管理を目指します。
生活移行期・予防期の支援
- 買い物や外出などの練習を行い、日常生活の習慣的な活動の再獲得につなげます。
- 家事や仕事などの役割活動や、趣味など楽しみの練習を行い、社会参加の実現につなげます。
- 入院生活により、認知・精神・身体機能が低下しないよう、予防していきます。
終末期の支援
- 身体や心の痛みの緩和につなげます。
- 健やかな時間を過ごせるように価値ある活動を楽しむ機会を提供していきます。
言語聴覚療法
訓練内容
脳卒中や神経筋疾患、聴覚障害、先天性の疾患、口腔器官の病変、高齢者の方等で音声機能や言語機能、摂食・嚥下機能、聴覚等に障害が生じる場合があります。
言語聴覚療法では、これらの症状に合わせてコミュニケーションや摂食・嚥下障害に対するリハビリテーション(検査・評価・訓練・指導)を行っております。思い通りにコミュニケーションが図れない、食事の際によくむせる等でお困りの方やその周囲の方の、少しでもお力になれればと思います。
失語症
- 言いたい言葉がうまく出てこない。違う言葉が出てしまう。
- 言葉の意味が理解できない。
- 文字の読み書きを誤るようになった。文字の読み書きができなくなった。
- 計算を誤るようになった。計算ができなくなった。
聴覚障害
- 音に対する反応が乏しい。難聴では・・・。
- 幼少期から音が聞こえないために言葉の獲得が遅れた。
高次脳機能障害
- 新しい事を覚えられない等の記憶障害がある。
- 注意力が散漫になった。
- 物品や色・顔等がわからなくなった。
- 物品の使い方がわからなくなった。
構音障害・発声障害
- 呂律が回らない、もしくは回りにくくなった。発話が聞き取りにくい。
- 声が出にくくなったり、声がかすれるようになった。
- 口を開けたり閉じたりがしにくい、舌が動きにくい、震える等の症状が見られる。
- 幼児音が治らない、発音の誤りがある。
摂食・嚥下障害
- 食事の時によくむせる。
- なかなか噛めない、飲み込めない。
- 食べ物や水分が喉にひっかかる。
重症心身障害児者のリハビリ
重度障害総合支援センタールルドは重い障害をもっているために「自分の思うように動くことができない」、「自分の意思をうまく伝えることができない」人たちの生活の場となっています。そのような人たちが『安全に』、『安心して』、『安定した』生活が送れるように、また『医療』、『福祉』、『教育』の視点から総合的支援ができるようにリハビリを提供しています。

臨床教育
使命(mission)
- より効果的で検証された評価および各療法の習得援助
- 専門性を高める努力の継続的な支援
- 質の高い技術と能力を共有し、継承できるチーム環境の構築
- 患者さんを中心とした「思いやり」を実践するリハビリテーションサービスの支援
初期研修(入職〜5年目)
コメディカルとしての臨床基礎研修
コメディカルとして、医療に貢献するために必要な臨床基礎知識「呼吸・循環・代謝」について2年間の研修(1~2回/月)を行います。
-
実践的教育(知識と技術の統合)
- 臨床教育システムにて入職後、4~5年間フォローアップします。
- 入職1年目は、経験10年目以上のスタッフが臨床場面で直接支援します。
- 経年セラピストとの「併診システム」で臨床思考・技術の習得を目指します。
- 入職後3年間は、ケーススタディにより臨床推論思考の研鑽を行います。
- 臨床能力評価(ルーブリック評価)により実践能力向上を支援します。
-
触る技術、診る技術の習得を目的としたワークショップ(10回以上/年)を行います。
- 4~5年目を対象とした臨床研究、症例研究の支援を行います。
専門性の追求
専門領域を5分野にわけて専門的知識と技術の向上を図っています。

若手からベテランまで共通して実践できる専門的運動療法を目指して定期的に症例検討会、技術研修、勉強会、学会参加などを行っています
リハビリテーション技術課 教育ラダー

スタッフの声
入職3年
今まで姫路聖マリア病院のリハビリテーションは、急性期リハビリを中心に実施しておりました。この度、2022年2月より「回復期リハビリテーション病棟」を開設。急性期から回復期へと、より在宅生活を見据えた機能回復やADL(日常生活活動)の改善・向上を多職種が連携し実施しております。
また、患者さん1人に対して2重担当制を取り入れ、スタッフ間のディスカッションの活発化や、様々な視点からアプローチを実施し、患者さんの1日でも早い回復を願い、日々リハビリテーションに努めております。
入職2年
リハビリを行うことで、患者さん自身が良くなったことを実感し、感謝の言葉を頂いた時にとてもうれしく、やりがいを感じます。しかし、考えなければいけないことや、勉強しなければいけないことは多いです。そこで、同職種の先輩方に助けて頂いたり、他職種と連携し、患者さんにより良い生活に戻れるようアプローチさせて頂いています。
入職1年
姫路聖マリア病院は、整形・内科・外科疾患の方々のリハビリを経験することができます。リハビリテーション技術課の雰囲気は、スタッフ同士のコミュニケーションが豊富で明るい職場です。そのため、分からないことがあれば年齢の近いスタッフだけでなく上司の方々にも相談しやすい環境が整っています。また、新人教育プログラムは、各疾患のチームを手厚いご指導の元、ローテーションしながら経験することができます。院内勉強会やチームカンファレンスも豊富で、知識の獲得や整理をする機会がたくさんあり臨床に役立っています。