診療内容・特色
「病理」とは、病(やまい)の理(ことわり)を明らかにする学問のことで、言い換えると、病気を主に形態の変化(正常からの逸脱の度合い)からとらえることで、病気の本態・原因・転帰を明らかにする学問です。
当院の病理診断科では、日常業務として、病理医と細胞検査士・臨床検査技師が協力し、小切開、内視鏡下や穿刺針等で採取された組織(生検)や外科的手術で切除された臓器を診断する「組織診断」、擦過や穿刺吸引された細胞を診断する「細胞診断」を行っています。組織や細胞からガラス標本を作製し、これを顕微鏡で観察して診断、主治医に報告し、適切な治療方針の決定や治療効果の判定に役立てることが主な業務です。
手術中の短時間に病理診断を下して、手術方針を決めるのに役立つ「術中迅速診断」も行っています。
また、患者さんが不幸にしてお亡くなりになった場合、ご遺族にお願いし「病理解剖」を行う場合があります。解剖で全身の臓器を詳しく検索し、これをもとに院内でCPC (臨床病理検討会) を開催し、病態の把握、死因の究明、診療内容や治療効果の検証を行います。
このCPCや、診療各科とのカンファレンスを通じ、病院スタッフの診療能力の向上、医療の発展、教育のツールとしても役立てています。
医師紹介
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ふじい まさよし
藤井 将義
役職 - 病理診断科副部長
専門分野 - 病理診断全般
資格 - 日本病理学会病理専門医
- 日本臨床細胞学会細胞診専門医
メッセージ 2014年10月より当院に勤務させていただいています。肉眼や顕微鏡を通して見た「かたち」から、一人ひとりの患者さんの病気の本質的な部分を考える仕事で、非常にやりがいを感じています。診療各科と連携し、病院の「縁の下の力持ち」として病気の診断にあたっています。乳腺、消化器等の近年増加しつつある疾患をはじめ、あらゆる領域の知識を常にアップデートしながら、正確かつ速やかな診断に努め、患者さんの役に立てる内容を心がけています。専門領域としては、血液・リンパ系疾患について、岡山大学第二病理(腫瘍病理)の先生方のサポートを得つつ、最先端の知見も取り入れています。さらに、診療各科の先生方・研修医との適宜カンファレンス、勉強会等を通して、地域と病院全体の医療の質の向上に貢献することを目標としています。
書籍
筆頭著者 | 藤井将義 |
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共同著者 | 藤井将義、佐藤康晴、吉野正 |
執筆部分の題名 | 腸管症関連T細胞性リンパ腫 |
著書全体の編者・監修者 | 森茂郎 監修 |
書名 | リンパ腫アトラス |
巻数/版数 | 改訂・改題第4版 |
出版社名 | 文光堂 |
発行地 | 東京 |
発行年(西暦) | 2014 |
p頁-頁 | p186-189 |
論文
筆頭著者 | Masayoshi Fujii |
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共同著者 | Takata K, Chuang SS, Miyata-Takata T, Ando M, Sato Y, Yoshino T |
論題 | A20(TNFAIP3) Alterations in Primary Intestinal Diffuse Large B-cell Lymphoma. |
掲載誌(正式名称) | Acta medica Okayama |
掲載誌発行年(西暦) | 2018 |
巻・号 | 72・1 |
掲載ページ | 23-30 |
筆頭著者 | Masayoshi Fujii |
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共同著者 | Sato Y, Ohara N, Hashimoto K, Kobashi H, Koyama Y, Yoshino T |
論題 | Systemic IgG4-related disease with extensive peripheral nearve involvement that progressed from localized IgG4-related lymphadenopathy: an autopsy case. |
掲載誌(正式名称) | Diagnostic Pathology |
掲載誌発行年(西暦) | 2014 |
巻・号 | 9 |
掲載ページ | 41-50 |