姫路聖マリア病院の特長

  • 周産期医療

  • 急性期医療

  • 回復期
    リハビリテーション

  • 地域包括ケア

  • 緩和ケア

  • 障害児・者医療

⼤腸‧肛⾨外科

digestive surgery

目次

    診療内容・特色

    姫路聖マリア病院の外科は、病院開設当時より胃や大腸疾患などに対する消化器外科を中心に地域医療に貢献してまいりました。大腸肛門病領域では、主に大腸がんをはじめとする悪性腫瘍や、虫垂炎、憩室炎、結腸軸捻転などの良性腫瘍に対応していましたが、肛門疾患に関しては専門的に診療を担当する医師が長らく不在だったため年間数例の手術を行うのみでした。

    2017年6月より肛門外来を開設し、積極的に肛門疾患の初診や紹介患者さんを受け入れることで、直近1年間で、痔核、痔瘻、裂肛、直腸脱のみの手術症例は80症例と、コロナ禍の中でも急激に増加しています。専門施設からの紹介が多いため、痔瘻が33症例と4割以上を占め、その中でもクリニックでの日帰り治療で対応困難な、複雑痔瘻や坐骨直腸窩痔瘻の手術症例が多い傾向にあります。また、持病をお持ちの患者さんにも、他科と連携を図りながら治療にあたることができるのも、総合病院として当院の強みです。

    取り扱う主な疾患

    • 大腸がん(結腸がん、直腸がん)

    • 肛門の病気(痔核、痔瘻、裂肛、肛門周囲膿瘍など)

    • 肛門管がん 骨盤底疾患(直腸脱、直腸瘤など)

    • 虫垂炎

    • 憩室炎

    • 炎症性腸疾患のうち肛門疾患との合併がみられるもの

    • 結腸過長症

    • 排便障害

    • ストーマ外来

      など

    大腸がん

    頻度

    毎年約12万人以上に発症し50歳代から増えはじめ高齢になるほど頻度が高くなります。大腸がんは女性のがんの部位別死亡原因第1位で、男性では肺がん、胃がんに次いで第3位です。

    症状

    早期大腸がんではほとんど症状がなく、検診の便潜血検査で発見されることが大半です。進行がんになると、貧血や血便、腹痛、排便困難、便通異常、体重減少などで発見されるようになります。

    検査および診断

    簡易の検査としては便潜血検査がありますが、がんが存在しても陰性となる場合もあります。より精度の高い検査としてバリウムと空気を肛門より注入して行う注腸検査と大腸内視鏡検査などがあります。CEA、CA19-9などの腫瘍マーカーといわれる血液検査がありますが、すべての大腸がんに陽性となるわけではなく、あくまで補助的検査となります。

    手術

    大腸がんの外科手術では、従来のおなかを大きく切る手術方法(開腹手術)から、患者さんにやさしい、傷の小さい腹腔鏡手術という選択肢ができました。当院では、この腹腔鏡手術を多くの患者さんに行っており豊富な経験があります。おなかに開けた小さな創からカメラと専用の器具を入れて行うこの手術では小さな傷で手術が受けられるため、手術後の傷が目立たない、術後の痛みが少ない、入院期間が短いなどのメリットがあります。
    当院外科の大腸がん手術件数は以下の通りです。大腸がんによる腸閉塞や、穿孔性腹膜炎による手術例の比率が高いため、開腹術と腹腔鏡手術の頻度は結腸がん、直腸がんともほぼ同数ですが、予定手術の場合大半を腹腔鏡手術で行っています。
    一方、直腸がん手術後の人工肛門は大きな問題でしたが、現在では可能な限り自然肛門を温存しながらがんの切除が行えるようになり、当院でも積極的に取り入れています。この方法は肛門の一部を切り取りながら、肛門を残すもので、この方法の確立により多くの方が永久人工肛門を回避できるようになってきました。また、人工肛門が形成された患者さんは、専門の認定看護師による人工肛門外来(ストーマケア外来)にて、きめ細かくフォローアップさせていただきます。

    化学療法

    昨今大腸がん化学療法は有効性の高い分子標的薬などの登場により選択肢が広がり、進行再発大腸がんでも2年以上の高い延命効果が得られるようになってきました。当院では、外来化学療法室を併設しており、患者さんの体力や抗癌剤のメニューによっては、外来での通院化学療法が可能となっています。専任の看護師、薬剤師を配置し十分な体制で外来治療を積極的に行っています。最近では抗がん剤による副作用を軽減させる技術も進歩してきましたので、抗がん剤治療の中心は入院治療から外来治療へと変化してきました。
    原則的には大腸癌治療ガイドラインに準拠したかたちで治療を行っていますが、それぞれの患者さんの年齢、体力、社会的立場などを考慮した個別化治療を目標に患者さん、ご家族とともにスタッフが全力をあげて大腸がん治療に当たります。

    治療方針

    大腸がんなどの悪性疾患に関しては、治療ガイドラインに準じた集学的治療(手術や抗がん剤治療などを組み合わせた治療)を提供いたします。手術療法については、根治性を保つことを第一としながら、低侵襲、機能温存も重視し、腹腔鏡下手術や直腸がんに対するISR(括約筋間直腸切除術)などを含めた肛門温存手術を積極的に適応しています。

    また、虫垂炎、憩室炎、結腸過長症などの良性疾患の外科的治療に関しても、慎重に検討しながら対応しています。

    痔核、痔瘻、裂肛、直腸脱などの、直腸肛門疾患に関しては、あくまで良性疾患ですので、画一的は治療方針ではなく、症状や患者さんのお悩みやご要望に応じて、適切な治療法で対応させていただきます。

    専門外来について

    医師紹介

    • じだ まさる

      治田 賢

      役職
      • 大腸・肛門外科部長
      専門分野
      • 消化器外科(とくに大腸・肛門病等の下部消化管外科)
      • 内視鏡外科
      • 一般外科
      資格
      • 医学博士(岡山大学)
      • 日本外科学会外科専門医
      • 日本消化器外科学会指導医・消化器外科専門医・消化器がん外科治療認定医
      • 日本大腸肛門病学会認定大腸肛門病専門医
      • 日本消化器病学会消化器病専門医
      • 臨床肛門病認定医
      • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
      • ストーマ認定士
      • 麻酔科標榜医
      メッセージ

      2002年に岡山大学医学部を卒業後、消化器外科医として研鑽を積み、2015年4月に姫路聖マリア病院へ赴任いたしました。消化器外科専門医、大腸・肛門病専門医として、主に胃がんや大腸がん(結腸・直腸がん)の診療に従事しています。また、2017年6月より直腸肛門外来を開設し、痔疾患(痔核、痔ろう、裂肛など)や直腸脱、排便困難の診療にも携わっています。肛門疾患手術は専門病院からのご紹介もあり年々増加しており、痔核、痔ろう、裂肛、直腸脱の手術のみで年間100例程度施行し、そのすべてを執刀、担当しています。故郷でもある姫路の地域医療への貢献と当院の医療水準向上を目指し日々精進してまいりますので、大腸・肛門病のみならず、消化器疾患に関してお困りのことがございましたら何なりとご相談ください。

    外来担当医表

    ◎:初診担当 (非):非常勤医師

    治田 治田

    診療時間

    (月・水)13:30 ~ 15:00 受付は8:30 ~ 14:30

    休診・代診情報

    休診代診情報はありません。

    診療実績

    主な手術症例(2022年)

    疾患 手術症例
    (うち腹腔鏡)
    悪性大腸疾患 大腸がん 結腸がん 48(34)
    直腸がん 15(7)
    肛門管がん 1
    良性大腸疾患(軸捻転、イレウス、穿孔等) 10(4)
    虫垂炎 21(20)
    直腸脱 18(18)
    肛門疾患手術 痔核 68
    痔瘻 33
    直腸腫瘍・ポリープ 8
    肛門周囲膿瘍 8

    関連ページ