各種鎮痛薬を評価する機会だ
よく、「蛙の子は蛙」と言いますよね。「親と子は似る」という意味ですが、ま~似んでもええとこまで似るもんですね・・・親子とは・・・。
何をぼやいてんねんって言われそうですが、実は、たかはし一族の持病ともいえる脊椎疾患を患ってしまいました。・・・・椎間板ヘルニア・・・。
ま~、痛いのなんのって・・。側方に突出したヘルニアだから、神経根症状もないし、脊髄圧迫症状もないからいいものの・・・。でも痛い。しばらくは、
①呼んでも振り返れないことも多い
②「こっちおいで」と言っても、なかなか動きだせない
③ふいに「いて~」とか「うっ」とか言う(しかも結構大声)
など、ご迷惑をおかけしますが・・・お許しください。
さて、ケガの功名というかなんというか、麻酔科・緩和医療科医として、「これは各種鎮痛薬を評価する機会だ」ととらえ、各種鎮痛薬を試してみました。今日までで、
カロナール
・pKaの関係で、胃内では吸収されないので、空腹時の方が効くと考えられるが、結構満腹時(食後)でも効く。食後は胃内のpHがあがってるからかな~。
・でも、やっぱり満腹時に服用すると切れ味がわるい。鎮痛効果発現が、悪く言えば遅い、良く言えばマイルド。
・やっぱり空腹時に比較的大量の水で服用すると切れ味がいい。
・鎮痛薬としては投与量上限が1000mgになっているが、900mg(300mg錠を3錠)と600mg(同2錠)では、それほど大きな差はない。
・4時間くらいで鎮痛効果が切れてくる感覚を味わうが、かといって12時間くらいは「残り香:ほのかな鎮痛効果」は残る。
・気のせいかもしれないが、鋭い痛み(Aδ繊維伝達性の痛み)にも、わずかながら薬効を感じる。このあたりが、中枢神経系での鎮痛効果を反映しているのだろう。
ロコア
・1枚では、やはり薬効不足。2枚はるべき
・とはいえ、ロコア1枚+カロナールも、程よい鎮痛効果があり、いい選択肢かも。
・カロナールでは消えない、ヘルニア周囲の違和感が消える(ただし2枚貼付時)。炎症をおさえてるんだなと感じる。一方、やはりカロナールには末梢組織の炎症を抑える効果はないんだな~と実感。
・鋭い痛み(Aδ繊維伝達性の痛み)には、当然ならが無効。
トラマドール
・舌下投与すると、わずかながら切れ味が良くなる(鎮痛効果発現が早くなる)
・カロナールとの相乗効果は確かにある(トアラセットは意味がある)。ロコアでとれる患部の違和感は、トラマドール+カロナールでは取れないものの、鋭い痛み(Aδ繊維伝達性の痛み)にも、それなりの薬効を感じるし、効果発現が単剤より早い印象を受ける。
・姿勢-結腸反射によるS状結腸~直腸の蠕動機能はやはり低下する。この低下はスインプロイクでは完全にantagonizeできない。一方、上行~下行結腸の蠕動は、スインプロイクでもどっている感じもする。
ってことがわかってきました。
引き続き、自分の体で鎮痛薬の効果・副作用を観察してみます。
たかはし