先週土曜(10月7日)は、奈良市の奈良県立コンベンションセンターで開催された、第36回日本サイコオンコロジー学会に参加してきました。

数年前に見切りをつけた学会だったので、「行っても勉強にはならんだろうな~。」と思ってたんですが、大会長が、奈良で仕事していた頃に世話になったS先生だったので、参加してみることにしました。
あっ、そうそう。「奈良やったら第二の故郷やん。」って言われそうですが、母校奈良県立医科大学は奈良盆地の南側の橿原市にあり、奈良市とは直線距離で20㎞くらい離れてるんです。しかも、奈良盆地を南北に貫く国道24号線は渋滞の名所(>_<) よって、奈良県立医科大学で過ごした20年間、奈良市に行ったのは五本の指で足るくらいなんです。あまり縁がないんですよね~。
さて、学会は、・・・案の定・・・あまり面白くなかった。
まず、拝聴したのが『安楽死を考える』というシンポジウム。このブログでも複数回書かせて頂いたVSED (voluntary stopping eating and drinking:自発的な飲食停止)とMED(medical assist for death)の問題について、良い話しが聞けるかと思ったのですが・・・、壇上には、偉そうな口をきく開業医先生(おじいちゃん先生)が3名登られて、「つけてしまった人工呼吸器を外せと言われて、我々医療界は、いまだに不快混迷の中にある。訴追をおそれて、医療界は萎縮してしまっている。ほんとうにこれでいいのか~!!」と高らかに仰ってしました。いや、それ間違ってるし・・・。
そもそも、この人たちは『治療の中断』と『安楽死』の差もわかっておられないんでしょうね。たしなに、ひと昔前までは、治療中断の問題は、多くの医療従事者を悩ませていました。しかし、いまでは、二重結果論に基づく倫理配慮と自由意思による同意を担保することで、人工呼吸器の使用停止を含む医療行為の中断は、何の法的問題もなくなりました。我々医療界は、こうすること、つまり二重結果論に基づく倫理配慮と自由意思による同意を担保することにより延命処置を躊躇なく中断できることで、「はじめてしまったらやめることができないし、いっそ、この治療を開始することは差し控えよう。」という気持ちが医療従事者の心に芽生え、有効かもしれない治療を開始することがためらわれる事態を回避できることを学んでいます。例えば、重症の誤嚥性肺炎で担ぎ込まれた90歳の男性患者に対して、医師が『ひとたび挿管(≒人工呼吸)しちゃうと、無効だってわかっても、もう外せないんだよな~。よし、抗菌薬は使うことにして、最初から人工呼吸はしまんね~って説明しておこう。』などと思わないようになります。もし、この90歳男性が、抗菌薬投与と数日間の人工呼吸を行うことで救命できる病態であるとするならば、最初から人工呼吸器を使わないと決めつけてしまうと、再び笑顔の絶えない好々爺として生きるチャンスを奪うことになります。これは、あってはいけないことですよね。だから、二重結果論に基づく倫理配慮と自由意思による同意を担保することにより、延命処置は中断できるんです。しかし、困ったことに、この爺さんたちは、この医療界の変化を全く知らないご様子でした。こんな人間が、学会の演題に登壇していることは、ほんと問題だし、日本サイコオンコロジー学会のレベルを象徴しているように思えます。
一方、安楽死や、期待していたVSEDについては、まったく触れられず、ほんと、聞くにあたいしないシンポジウムでした(∵`)
ついで、午後は「Pro Con企画 ケミカルコーピングについて考える」というシンポジウムに参加しました。『ケミカルコーピングに陥った仮想症例について、ケミカルコーピングを治療ぜずとも好いと考える医師・看護師と、ケミカルコーピングを治療すべきだと考える医師・看護師が激論をかわす。』という企画です。
が・・・・、提示された仮想症例は、まったくケミカルコーピングではない・・・。結局、『この仮想症例は、ケミカルコーピングと言えるか。』の議論に終始してしまい、ケミカルコーピングについて議論できずに終わってしまいまいた。ほんと、おいおい・・って感じです。
ま、学会は(案の定)いまいちでした・・・・が・・・、Optional tourは楽しめました。
行き先は、奈良公園(^ο^)~
ランチョンセミナー(製薬会社の拠出するお金で弁当を食べながら、その製薬会社に忖度しまくった講演を聞く企画)には参加せず、お昼休みの時間を利用して、プラプラしてきました。

まず、向かった大仏殿は、外国人観光客だらけで、入場まで30-60分待ち・・・。午後のプログラムに間に合わなくなるので、しぶしぶあきらめました。
「ま、奈良の雰囲気だけでも味わうか~。」って思って、公園内を散策してて見つけたのが、これ

かわいいでしょ。奈良公園名物、溝ですずむ鹿(^ο^) この鹿のように、のほほ~んと暮らしたいですね(^ο^)。
たかはし