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モルヒネと一緒やないか~い!

当院では、年間購読料を支払っているので、各職員は自由にメディカルオンライン誌を閲覧できます。貧乏性のたかはし先生は、「せっかく高い年間購読料を払ってんだから・・・。」と考え、主に昼休みに、いろんな記事を『ななめ読み』しています。で、今日読んだのが、NaV1.8 の選択的阻害薬についての論文。

Jim Jones et al. Selective Inhibition of NaV1.8 with VX-548 for Acute Pain. N Engl J Med
. 2023 Aug 3;389(5):393-405.

大学で疼痛の研究をしていた頃、そう今から20年ほど前です。基礎医学領域ではナトリウムチャネルのサブタイプ解析がなされ、どのサブタイプが痛みの形成に関わっているかが、どんどん解明されていました。そういった一連の研究成果を見ながら、「そのサブタイプの選択的阻害薬ができたら、今使ってる痛み止めとか、いらんようになるんちゃうん。モルヒネなんて副作用の多い薬なんてつかわんでもええ世の中になって、若い医者から『たかはし先生の若い頃って、モルヒネ使ってたんですね~。野蛮ですね~。時代ですね~。生きている化石ですね~。人間国宝ですね~¥』って言われんちゃうかな~。」って思ってたんですよね。で、このナトリウムチャネルのうち、疼痛形成に関与しているNaV1.8 というサブタイプの選択的阻害薬が、臨床試験の第二相試験までいったっている記事です。
「ほ~! ついに『夢の鎮痛薬』もPhase 2までいったか~。」と感心して読んでみると・・・、有効性の比較対象が、ヒドロコドン酒石酸塩-アセトアミノフェン合剤(ヒドロコドン酒石酸塩5mgとアセトアミノフェン325mg)・・・・だって・・・。えっ、・・・。わが国では使用されていませんが、ヒドロコドンの力価は、モルヒネとほぼ一緒。ってことは、この『夢の鎮痛薬』候補は、モルヒネ 5mgと同程度ってこと・・・? ん~、オプソ®と一緒か~。大したことないな~。アセトアミノフェンが入ってるから、トアラセットと一緒か~・・・。ほんま、大したことないな~・・・。
なになに、しかも、副作用は「便秘」とな・・・。モルヒネと一緒やないか~い!

夢の新薬は遠いようです(>_<)

たかはし

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