直下型地震
GW終わっちゃいましたね。さて、このGWですが、ひとつ教訓を得たので、ここに書かせて頂きますね。
その教訓とは、「緊急地震速報は万能じゃない。」
覚えていらっしゃいますかね~、5月2日に地震があったこと。姫路でも結構揺れたと思いますが、たかはし先生は、第二の故郷:奈良県にいたんです。それも、この地震の震源地(震央)のそばに。5月2日午後6時28分ごろ、まず、弱い縦揺れの1-2秒あり、その後に強い揺れが続きました。揺れの持続時間は、10数秒間くらいだったかな。で、揺れが収まってから、『ウイーン・ウイーン』って、携帯の緊急地震速報が鳴りだし、その2-3秒後に村の防災放送から「チャンチャン、チャンチャン、大地震が来ます。」との放送。『やばい、今の地震より大きい地震が来るんや~。』と思い、野外に飛び出しました。・・・・が、まったく揺れず・・・。結局、緊急地震速報が間に合わなかっただけでした。
後で調べてみると、震央は40㎞くらい先、震源の深さは70㎞でした。直角三角形として計算すると、震源との距離は、おおよそ80㎞。つまり、たかはし先生がいた地点と、震央に近い災科研 Hi-net 観測点(緊急地震速報を出すか否かの解析データを収集する地震計)は、震源からの距離にさほど違いはなく、ま~10㎞程度。ほぼ同時に揺れていたってわけです。ま~、感覚的に「地震速報が間に合わないのも無理ないね。」と思えますよね。
ではもう少し科学的に解析してみます。緊急地震速報は、地震波のうち、早く伝わってくるP波(縦揺れ)を感知し、ゆっくり伝わってくるS波(大きな横揺れ)が来る前に、市民に知らせるシステムです。気象庁では、全国に緊急地震速報発出を判断するためもデータ収集を目的とした災科研 Hi-net 観測点を設置してします。ひとたび地震が発生すると、複数の災科研 Hi-net 観測点において最初P波が感知されてから、速報発出までの時間は、約2〜5秒程度とされています。通常、P波速度は約6 km/s、S波速度は約3.5 km/sされていますので、震源から8.5㎞あれば、P波-S波到達時間差を1秒間かせげますので、緊急地震速報解析に必要な、この2-5秒を稼ぐためには、17-42.5㎞あればOK。しかし、観測点が少ない地域(今回の震源域はまさにコレ)、小規模地震では、5〜10秒以上かかることもあるとされています。この場合、緊急地震速報解析に必要な時間を稼ぐためには、42.5~85㎞以上必要です。さらに、今回の地震は震源が深い。この場合、深部の硬い岩盤や、高圧環境下を地震波が通ってくるので、P波速度は約7-8 km/s、S波速度は約4-4.5 km/sに上昇するとされています。この場合、緊急地震速報解析に必要な時間を稼ぐためには、50~100㎞以上震央から離れている必要があります。結構離れていないと、今回のような深発地震においては、緊急地震速報は意味をなさないんです。
これを、姫路で想定されている地震に置き換えてみます。
①南海トラフ地震
想定震源域までは180-250㎞あります。地震波は、浅いところを通ってきますので、震源域近傍の災科研 Hi-net 観測点にP波到達してから、姫路にP波が到達するまで30秒あります。S波なら51秒。緊急地震速報発出の解析に5秒かかったとしても、P波到達までに25秒の余裕があります。
②山崎断層地震
最も近い活動区間までは、仁豊野から約20km前後。主たる断層破壊域の中心部までは40〜60 km程度とされています。この地震も、浅いところを通ってきますので、震源から仁豊野まで40㎞とすると、震源域近傍の災科研 Hi-net 観測点にP波到達してから、仁豊野にP波が到達するまで6.7秒。S波到達まで11.4秒。緊急地震速報とP波到達が同時になりそうです。
③スラブ内地震
南海トラフから、大陸プレートの下に潜り込んだ海洋プレートが割れて発生する地震です。姫路の真下、60-70㎞くらいで発生する可能性があります。この場合は、5月2日の地震と同じです。緊急地震速報は役にたちません。
という感じになります。マスコミなどは、①の危険性を報道していますが、実は②、そして③が危ない。③は間に合わないかもしれないけど、「揺れたらガードポジション。」を徹底すれば、②による被害は最小化できます。日頃の備えと、防災意識を大切にしなければなりませんね。
以上、GWから得た教訓でした。
たかはし







