令和４年度 姫路聖マリア病院 病院指標

内科で最も多い疾患は、小腸大腸の良性疾患（良性腫瘍を含む。）の内視鏡的切除術が行われた症例です。
次いで、誤嚥性肺炎、尿路系疾患、心不全、胆管結石が上位の疾患となっています。

小児科では新生児から中学校3年生頃（0～15歳未満）までの患者様の内科的治療を行っています。
急性気管支炎などの呼吸器系疾患が最も多く占めています。
次いで、食物アレルギー検査入院、新生児疾患、ウイルス性腸炎が上位の疾患となっています。
令和3（2021）年度からアレルギー科が新設され、食物アレルギーの負荷試験を積極的に行っています。

外科で最も多い疾患は、鼠径ヘルニアの手術症例です。
次いで、痔核や乳房の悪性腫瘍、痔瘻、結腸の悪性腫瘍の手術症例が多くなっています。
外科は、内科との院内連携や地域医療機関の紹介が多くあります。地域医療機関と連携しながら、専門医や専門的なスタッフにより患者様に適切な医療を提供できるよう努めています。

整形外科で最も多い疾患は、股関節・大腿近位の骨折（大腿骨骨折など）の手術症例です。平均年齢は82.83と高齢の患者様が多くなっています。
次いで、四肢筋腱損傷や靭帯断裂、椎間板変性やヘルニア（腰椎椎間板ヘルニアなど）、前腕骨骨折の手術症例、膝関節症が上位の疾患となっています。
脊椎の専門医が常勤しており、低侵襲な内視鏡や経皮スクリューを用いた手術を行っています。
疾患によっては、地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟（以下、回復期病棟と称す）で日常生活動作の維持・向上を目標にリハビリを行っていますので、上位疾患の中でも平均在院日数が長くなっている症例もあります。
また、スポーツ障害に詳しい医師、理学療法士、トレーナーが連携し、質の高い医療を提供しています。

産婦人科では、子宮や卵巣の良性疾患の手術症例が上位となっています。
また、子宮頸・体部の悪性腫瘍、子宮頸部（膣部）の手術症例も多く、子宮頸部高度異形成の疾患が大半を占めています。
治療方法は、腹腔鏡下手術を取り入れており、低侵襲で安全な手術を目指しています。

眼科は、白内障の手術症例が集計要件に基づき10件の表記となっていますが、実手術症例数は239件です。
白内障の手術は外来通院が3日間必要となりますが、日帰りで手術を受けることも可能です。
患者様のニーズにあわせて治療を行っています。

耳鼻咽喉科は、非常勤医師も含め得意分野を活かしたチーム医療体制を構築しています。
最も多い疾患は、睡眠時無呼吸症候群です。技術部門と連携し、正確な診断と適切な対処法の指導を行っています。
次いで、慢性副鼻腔炎、扁桃炎などの扁桃副鼻腔疾患が上位を占めています。
また、めまい疾患、難聴などの治療も積極的に行っています。

泌尿器科で最も多い疾患は、膀胱腫瘍の内視鏡的手術症例です。
次いで、上部尿路疾患（腎結石、尿管結石）の手術症例、前立腺癌、前立腺肥大症、腎臓又は尿路の感染症が上位の疾患となっています。
腎結石、尿管結石の治療方法は、患者様に負担のかからないよう外来で体外衝撃波による結石砕石術を行い、砕石困難な場合は入院で内視鏡下レーザー砕石術を行っています。
前立腺癌では、PSA（前立腺特異抗原）の測定による早期発見に努めており、手術療法や内分泌（ホルモン）療法などの治療をしています。また、地域連携がんパスも運用しており、地域医療機関と診療連携を行っています。

内科は、胃・大腸の良性疾患や早期癌、胆管結石などの内視鏡的治療を積極的に行っています。

外科は、マリア病院開設間もない頃から消化器疾患に対する外科的治療を行っている歴史のある診療科です。
時代の変遷を経てきましたが、現在でも主として消化器、特に胃癌、大腸癌、肝臓癌、膵臓癌、胆道癌や乳癌といった悪性疾患を中心とした外科的治療や抗がん剤治療を行っています。
また、呼吸器系疾患やその他の良性疾患を中心とする一般外科、救急医療に対しても積極的に取り組んでいます。
主な手術別患者数は、鼠経ヘルニアの手術が増加傾向を示しています。
次いで、胆のう結石などの胆嚢摘出術、痔核手術が上位を占めています。
平成29（2017）年より肛門外来を開設し、積極的に肛門疾患の初診・紹介患者様を受け入れており、痔核手術の症例が増加しています。

整形外科では、肩甲骨や上腕、大腿の骨折観血的手術が多く占めています。
次いで、変形性股・膝関節症などの人工関節置換術、椎間板変性やヘルニア、脊柱管狭窄症などの内視鏡下椎間板摘出術が上位となっています。
骨折観血的手術（肩甲骨、上腕、大腿）、人工骨頭挿入術（肩、股、膝）では、大半が大腿骨骨折の症例で、平均年齢が高く高齢の患者様が多くなっています。また、在宅療養の困難な患者様へ回復期病棟でケアに取り組んでいますので、平均術後日数が長くなる傾向にあります。
椎間板ヘルニアなどの手術には、顕微鏡、内視鏡、経皮スクリューを用いた低侵襲な手術を行い、術後の脊椎機能の温存を図っています。
肩・膝関節疾患では、関節鏡を用いた低侵襲な手術を積極的に行っており、他院からも多くご紹介いただいています。

産婦人科では、子宮筋腫などの腹腔鏡下膣式子宮全摘術が多く占めています。
周産期医療体制を整備しており帝王切開手術も多くありますが、今回の集計要件から外れるため計上されていません。
次いで、卵巣子宮内膜症のう胞や卵巣良性腫瘍などの子宮付属器腫瘍摘出術、子宮脱などの生殖器脱出症への子宮脱手術が上位となっています。
治療方法は、腹腔鏡下手術を取り入れており、低侵襲で安全な手術を目指しています。
また、子宮がん検診も積極的に行っており、そこで発見された子宮頸部高度異形成などの境界悪性疾患の治療も多く占めています。

眼科は、白内障の手術症例が集計要件に基づき10件の表記となっています（実手術症例数239件）。
患者様のニーズにあわせて治療を行っています。
また、網膜前膜などに対する硝子体茎顕微鏡下離断術も行っていますが、10件未満のため「-」の表記となっています。

耳鼻咽喉科では、副鼻腔炎などの内視鏡下鼻・副鼻腔手術が多く占めています。
次いで、慢性扁桃炎や扁桃肥大症への口蓋扁桃手術、鼻中隔弯曲症への鼻中隔矯正術が上位となっています。
平均年齢が低く若年層の患者様が多いため、夏休みや冬休みなどの長期休みを利用して治療される患者様も多数おられます。

泌尿器科では、膀胱腫瘍への膀胱悪性腫瘍手術が多く占めています。
次いで、腎結石、尿管結石への経尿道的尿路結石除去術が上位となっています。
膀胱、前立腺、腎などの悪性疾患や、腎結石、尿管結石の治療に積極的に取り組んでおり、他院からも多くご紹介いただいています。
前立腺肥大症に対する手術では、従来の経尿道的前立腺手術より出血が少なく治療効果の高いホルミウムレーザー前立腺核出術（HoLEP）を多く行っています。